輝く無気力

本を読んでいる間に思い出した本とは何も関係ない話です

ぼくの宝物絵本

ぼくの宝物絵本 (MOE BOOKS)

絵本は子供だけのものじゃない。会社が辛くても、ページを開けばそこは天国。懐かしい絵本や未知の輝きを放つ絵本に出会い、買って買って買いまくると、夢のように楽しい...古今の名作絵本とその魅力を、オールカラーの図版とともに歌人にしてエッセイの名手がたっぷり紹介。

 

携帯のメモを見返すと10年も前の日付で「穂村弘」とあった。

それしかないのでいったいどんな流れで穂村弘とメモを残したのかは全く不明だし思い出せないのだが、どうしてメモをしたかは覚えている。それは、当時好きだった少し年上の人が「穂村弘」を話に出したからだ。当時の私は教養深くありたいと切望しつつも、いわゆる文化人にはとんと疎くて「寺山修司って誰ですか?ソクラテスならわかります!」みたいな頓珍漢な女だったので(今もさほど進歩はないけど)、その人が話す読んだ本の話、好きな映画の話、音楽の話、とにかくすべてが輝いて聞こえて、すべてを追いかけて吸収して、こんな風に語れるようになりたいと憧れを抱いていた。その人といるときは楽しくてお酒が進み、大変愉快になって全部忘れてしまうため、せめて、せめて、名前だけメモしておいて、酔いが醒めたら調べるぞ…と打った「穂村弘」である。調べないまま10年経った。私の携帯のメモ帳とTwitterの下書きはそんなもので溢れている。

 

彼が穂村弘の何を私に教えてくれたのかは謎のままだが、穂村弘が古い絵本を収集していて、それらはどれも魅力的で、だけれども絶版ばかりで手に入らないということは分かった。文庫も出てるけど絵本が美しいので単行本が良いです。面白かったです。おすすめ。