輝く無気力

本を読んでいる間に思い出した本とは何も関係ない話です

人は2000連休与えられるとどうなるのか?

人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

人生に行き詰まりを感じ仕事を辞めた男・上田。至福の日々も束の間、迫りくる不安に対抗すべくもがきはじめるが――内省と実験の果てに訪れるまさかの「哲学的」展開とは?衝撃の体験談!

 

大学1年生の頃サークルの合宿で千葉の御宿に行った。

そんなに頭の良い大学ではなかったためか先輩たちもそんなに頭が良くなくて、ノリで肝試しをやろうと言い出したはいいものの別に何の準備もしていなかったため、夜になり、雰囲気だけで宿の周りを歩いた。普通に散歩だ。それでも人里離れて街灯も少なく、怖いといえば怖かったような気もする。全員が肝試しという名の散歩から戻り、最後はみんなで稲川淳二を聞こうということになった。「呪いのCDだぜ」と先輩が誇らしげに取り出したところで、ここでも何の準備もしていなかったため、やんややんやの末に車のスピーカーから囁く淳二の声にみんなで耳を傾けるという異様なイベントが始まった。もちろんよく聞こえないし、まともに聞いたことがない稲川淳二を必要以上に恐れていた私たち1年生は少し離れたところではしゃいでいたのだが、すべてがうまくいかないことに怒髪衝天した先輩が

「ねえ!!!!ちゃんと淳二聞いて!!!!!」

と怒鳴った。本当に怖かった。肝が試されたと思う。ということを思い出した。

 

作中に出てくる「覚えている感情をすべて書き出す」という狂気的な自分棚卸作業には大変興味があるけれど、まとまった時間もなければ根気もないのでひとつだけここに書き残しておこう。面白かったです。おすすめ。